このページでは、プラモデルや模型のLED電飾に必要な知識や配線を紹介しています。当サイトでは他にもキャンピングカー関連を中心に様々な記事を掲載していますので、今後とも「ひろログ!」をヨロシク!
プラモデルのLED電飾に必要な予備知識と配線方法を徹底解説!
プラモデルや模型にLED電飾をする場合、あらかじめ予備知識が必要になる。
適当にLED(発光ダイオード)をくっつけて電流を流しても、点灯しないどころかLED一瞬でパーにしてしまう可能性もある。電池ならともかく、家庭用コンセントから電源供給する場合ならなおさらだ。
そこで今回は、LED電飾に必要な予備知識と、キット製作過程でのLED点灯のテスト、配線方法などをレビューを兼ねて解説したいと思う。
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LEDの種類、数量と必要な電圧、電流の関係性
プラモデルや模型に適したLED(発光ダイオード)は?
プラモデルや模型に適しているLEDの種類は、画像の3㎜、5㎜砲弾型でこのタイプが一番スタンダードで使用頻度が高い。このタイプには2本の端子が伸びており、端子の長い方がプラス極(+)、短い方がマイナス極(-)となっている。
電源からの配線を逆にしてしまった場合、壊れることはないが当然点灯しないので注意!
他に使用するとすれば、幅1㎜~2㎜のチップLED。こちらのチップはめちゃくちゃ小さい板状のLEDなので、チップの両側に配線をハンダ付けしなければならない。極小スペースを電飾するにはいいが、ハンダ付けの難易度が高いので、特に初心者の方は出来るだけ使用しない方が良いだろう。
LEDが必要とする電圧は?
LED(発光ダイオード)が性能どおり発光するためには、一定以上の電圧が必要となる。
色ごとに必要な電圧も異なり、
○赤色・橙色・黄色・緑色のLED:約2Vの電圧が必要。
○白色・青色のLED:約3.6Vの電圧が必要。
●定電流ダイオード(CRD)1本:約3V程度の電圧が必要。
※CRタイプのボタン電池(3V)1個にLEDの足(端子)を電池の裏表にくっつけるだけで発光する。【LEDの足の長い方がプラス(+)、短い方をマイナス(-)に繋いだ場合】
直列つなぎと並列つなぎ
ガンプラのようなキットには、とりあえず「目」となる部分のみLED1本を点灯させる分にはボタン電池1個あれば充分なのだが、カーモデルなどの複数のLEDを点灯させたい場合はどうするか?ボタン電池1個で良いのか?ということになる。
そこで重要になるのが、LEDの「直列つなぎ」と「並列つなぎ」なのである。
例えば、直列つなぎの場合CRタイプのボタン電池1個で3Vだが、前述で述べたとおり白色・青色系のLED1本ではなんとか点灯可能する。他の色に関しても1本なら点灯できる。
しかし、直列でLEDを繋いだ場合1本で3Vの電圧を必要とするため、電圧が低くても点灯する緑色のLEDですら2本でも点灯しない。LEDを性能どおりに発光させたい場合、LEDの本数分の電圧が必要になってしまうのだ。
↓直列つなぎだと2本でも点灯しない。
【例】赤色・橙色・黄色・緑色の場合:
○LED1本:2V
○LED4本:8V
○LED8本:16V
といったような具合で電圧が必要になる。
この方法では、10本以上のLEDを点灯させたい場合、電圧がいくらあっても足らない。そこで必要になってくるのが「並列つなぎ」なのである。
「並列つなぎ」を簡単に解説すると、CRタイプのボタン電池1個に1本のLEDをくっつけたら正常に点灯する。この要領で2本目、3本目のLEDをボタン電池に直結すれば、すべて性能どおりに点灯する。この接続方法が「並列つなぎ」なのだ。
下画像のブレッドボードでの点灯テストは、ボタン電池にすべてのLEDを直結したのと同じ配線だ。
↓3Vのボタン電池でのテストでは20個でも点灯した!
要は並列つなぎを応用しその個数に必要な電圧を確保できれば、数十個単位のLEDでも性能どおりの点灯が可能ではあるが、LEDの本数が多いと消費電力も大きいので、ボタン電池1個ではすぐに電池が無くなってしまうのだ。
次に、電池を電源に使用する場合の電圧とスペースの関係について解説をしよう。
その前に、点灯テストに使用した「ブレッドボード」について解説しておこう。
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ブレッドボードの解説記事はこちら!
⇒LED点灯実験に超便利なブレッドボードの使い方を徹底解説!
電池の電圧とスペースの確保
前述で述べたとおり、LED1本程度ならボタン電池で点灯は可能なので、配線もラクだし直列や並列なども考えなくてもいい。プラモデルや模型への内蔵スペース的にも問題はないだろう。しかし、複数のLEDを点灯させるとなった場合たくさんの電池が必要になってくる。
例えば、
○CRタイプボタン電池1個:3V
○単三アルカリ乾電池1本:1.5V
○角型アルカリ乾電池:9V
といったように、電池によって電圧(V)が変わってくるので、必要な電圧分に本数(個数)を増やさなければならない。
もし9Vの電圧を確保したい場合、
○CRタイプボタン電池:3個必要
○単三アルカリ乾電池:6本必要
○角型アルカリ乾電池:1個必要
となる。電池ホルダーを使えば、電池の本数は自由に追加は可能だが、プラモデルや模型に内蔵するスペースの問題があるので、むやみに数は増やせないし、電池の消費電力も気になるところだ。また、電池を使用する場合交換も考慮しなければならない。
電圧とスペースを両立させるなら、角型9V乾電池がおすすめだ。
※ここで注意!!
たとえ点灯実験でも、LED(発光ダイオード)を9Vの電池に直接つないではダメ!
電圧が高すぎるのでLEDを破損させてしまいます!
電圧が高い電源でも、LEDを正常に点灯させることが可能な便利なパーツがある。
そのパーツについて解説しよう。
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定電流ダイオード(CRD)
抵抗とよく似たサイズで、中央のガラス管に入った5㎜くらいの小さなパーツなのだが、このガラス管には片方に青い帯が付いており、逆側は中の赤い部品が見えるようになっている。
LEDと電源の間に接続して使用するのだが、この青色と赤色は接続方向を示している。この方向と接続方法については後で解説するとして、まずはそのCRDの役割を説明しよう。
定電流ダイオード(CRD)の役割
3Vの電池で点灯できるのは並列につないでも個数に限界がある。もっとたくさんのLEDを点灯させたい場合や9V型乾電池、それ以上の電圧を電源にして点灯させたい場合などにこのCRDが大きな役割をはたす。
電圧が高い電源を使用する場合は、「抵抗」というパーツを電源とLEDの間に接続し、電圧を落とさなければならない。
「抵抗」1本は数円程度で手に入るかなり安価なパーツではあるが、電源の電圧とLEDの定格電圧との関係で、使用する抵抗の値を計算で求めなくてはならない。簡単な計算式ではあるが、この作業が結構煩わしい。
そこで威力を発揮するのが定電流ダイオード(CRD)なのだ!
CRDは、どんな電圧の電源を使用してもすべて一定の電流数値【mA(ミリアンペア)】にしてくれる便利なパーツで、抵抗のような煩わしい計算も不要。
CRDの定格電流にはいくつかの種類がある。0.1mA~18mAくらいまで数種類あり、必要なタイプを選ぶことが出来るが、LED電飾に最適なのは『E-153(定格電流:15mA)』がおすすめ。
これを使用すれば、たとえ9V型乾電池でも、ACアダプター(家庭用100V電源)15Vでも、乗用車の12Vバッテリーでも、常に一定の電流【mA(ミリアンペア)】に変換してくれるのだ。
抵抗は電気を通りにくくして電流を抑えるパーツなので、抵抗自体発熱するがCRDは発熱しないので、模型の狭い密閉空間にも最適なのである。
定電流ダイオード(CRD)の接続方法:
CRDの中央の小さなガラス管の中に赤色のパーツがあり、片方には青色のラインが塗られているが、これは接続する方向であるプラス極(+)とマイナス極(-)を示している。
●内部赤色(アノード):電源のプラス極(+)へ接続
●青色の帯(カソードマーク):LEDのプラス極(+)へ接続
つまり正しい接続では、
電源のプラス極(+)
⇒ CRD(赤色:アノード)
⇒ CRD(青色:カソードマーク)
⇒ LEDのプラス極(+)【足の長い方】
⇒ LEDのマイナス極(-)【足の短い方】
⇒ 電源のマイナス極(-)
という電流の流れとなる。
※ここで注意!!
もしCRDの向きを逆に接続してしまうと、整流効果が機能せず高い電圧のままの電流が素通りして流れてしまい、CRD無しで直結した状態と同じになってしまうので、LEDとCRD共に破損してしまう!
電流を流す前に接続に間違いがないか、よく確認しておこう。
定電流ダイオード(CRD)1本ではLED何個まで接続可能か?
CRDは1本でLEDを無制限に接続できる訳ではない。
前述の「LEDが必要とする電圧は?」で解説したとおり、LED1本の必要電圧+CRDの電圧が必要となる。しかも、CRD1本につき約3V程度の電圧も必要なのだ。
例えば、直列でLEDをつなぐ場合、
CRD(3V)1本+白色・青色LED(3.6V)3個では、3.6×3+3=合計13.8Vの電圧が必要となる。ということは、必要な電源電圧は13.8V以上必要となる。
余裕を見れば15V以上の電圧があれば良いのだが、もし使用電源が12V電源だったとしても、LED1本あたり0.6V不足するだけなので、見た目には充分な光力で点灯してくれる。
直列つなぎで12~15V電源での性能を発揮するのは、
CRD×1本+LED×3本=1セットとして、この複数のセットを直接電源から取る「並列つなぎ」をする事で、LEDの点灯数を増やす事が出来るのだ。
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ACアダプター電源の重要性とは?
以上の事から、定電流ダイオード(CRD)を使用すれば一般的な電圧の高い電源を使用しても複数のLEDを点灯させることが可能だ。
こうなると電池よりも家庭用100Vコンセントから取れるAC電源を使いたくなる。
ここで役に立つのがACアダプターだ。ACアダプターのメリットは、
●停電しない限り電力供給が可能で、電池のように残量を気にしなくていい。
●点灯する時間が多いほど、電池よりコスパが良い。
●模型内部の電池スペースを考慮しなくていい。(DCジャックは別途必要)
●多数のLED電飾が可能。
など、電池を使用するよりメリットが大きいのだ。次にACアダプターの性能の見方について解説しよう。
ACアダプターの性能について:
ACアダプターには、仕様によって出力できる電圧と電流が違う。
アダプター本体には必ず表示シールが貼られているのだが、そこにある表示の内容はこうだ。
I/P( INPUT):AC 100V-240V 50/60Hz
インプット(入力):交流100V(ボルト) 電源周波数地域
O/P (OUTPUT):DC 12V 1.0A
アウトプット(出力):直流12V(ボルト) 1A(アンペア)
という意味である。ここの表示を見ると、このACアダプターの出力性能が判るのだ。
ここで例を挙げたのは「AC12V 1A」だが、数多くのLEDを点灯させたい場合、最低でもこれくらいの性能は欲しい。この性能のACアダプターが一番多く流通しているので、安価で手に入れられる。プラモデルや模型のLED電飾に使用する場合はAC12V 1Aをおすすめする。
性能に余裕が欲しい場合は、電圧15Vや19V、電流1.5Aや2Aなども販売されているので、こちらを購入したら良いだろう。
ちなみに下のACアダプターは、以前使用していたノートPCのモノ。表示では19V 3.16AとLED電飾に使用するにはかなり余裕がありそうだ。このプラグに適用するDCジャックも購入済みなので、こちらも使ってみたいと思う。
また、表示の3.16Aの右側に画像のようなマイナス(-)とプラス(+)の記号が記載されている。これはACアダプターのプラグの電極で、プラグの外径がマイナス(−)、内側の穴がプラス(+)になっている。という表示なのである。
※プラグの外径と内側の穴の電極が逆の規格がある可能性もあるので、配線をする前に記載内容を確認しておく必要がある。
これは次に説明するDCジャックと重要な関係ある。
↓おすすめ!12Vで3Aで余裕のLED電飾が可能!
スイッチングACアダプター 12V 3A |
↓私の持ってるモノと同型のACアダプター。性能は十分!
DCジャックも必ず必要!
DCジャックとは、ACアダプターを介してDC(直流)に変換されてから電源供給される、ACアダプターのプラグを差し込むパーツのこと。
上記で説明したACアダプターのプラグの電極のとおり、メスのDCジャックでは、内側の内径がマイナス(−)、中央のピンがプラス(+)となる。
配線はDCジャックの後部から出ている2本の端子に接続するのだが、中央から延びている端子にプラス(+)、外側から出ている端子にマイナス(−)を接続しなければならない。
ここで注意!
ACアダプターのプラグには様々な規格寸法があり、すべて同じではない。
事前にプラグ先端の外径と中央のピン穴径を確認しておく必要があり、その規格に合わせたDCジャックを購入しないと差し込めなくなってしまう。
手持ちのACアダプターのプラグは必ず寸法計測しておこう。
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LED電飾に必要なツールやパーツの記事はこちら!
⇒プラモデルのLED電飾工作に揃えておきたいツールを徹底解説!
⇒プラモデルにLEDで電飾するには?必要なパーツ類を徹底解説!
プラモデルのLED電飾に必要な予備知識と配線方法を徹底解説!の記事まとめ:
LEDの電飾に必要な予備知識と配線、必要な電源など解説させて頂いたが、お判り頂けただろうか? LEDの配線から点灯まで一通りの説明はさせて頂いたので、やってみたいと思われる方は一度チャレンジしてみてほしい。
LEDの点灯実験も追って記事にしてみたいと思う。
複数のLEDをプラモデルや模型に電飾するには、それなりの知識と配線する時間が必要だ。私も見様見真似で始めたLED電飾。これがうまく点灯した時は、やはり達成感があるものだ。
とは言っても一番時間がかかるのは、LEDをキットに仕込む加工かもしれない…。
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